お金のパーソナルコーチ

銀行員を30年以上経験してきて、今だからこそわかるお金との付き合いかたを残していきたいと思います。素朴な疑問へのご質問受け付けます

そのうちコロナで銀行が悪役になる

 

コロナの影響で昨年の貸出金残高は大幅に増加したようですが、これから更に業績が悪化した場合にどこまで貸し続けることが出来るのかという問題が顕在化してきます。

給付金にも限界があるだろうし、あとは自助努力=銀行借入でということになると、借入できないところも出てくるでしょう。

バブル崩壊したあとの処理の過程で貸金ってなんだろう?って思ってましたが、同じようなことにならないか危惧しますね。

金利で1%程度しかもらってないのに、「会社を生かすか潰すかの判断を突き付けられる」ことは違和感しかありませんでした。

リターンに対するリスクが大きすぎるんです。

お金がある以上、ボロボロの会社でも倒産しないからなんでしょうけど、貸金において、借換や折り返しが商習慣になっているため、期日の認識が低く、期日に返済してもらうという当たり前の行為が「貸し剥がしだ」とかと言われ非難されてしまう。

赤字体質から抜け出せない企業は返済どころか追加借入しないと倒産してしまうので、さすがに追加借入は無理になってくる、そして「銀行に潰された」と恨みを買う。

 

ルール上は損害を被るのはまず株主であるはずで、債権者は均等のリスクのはずなのに、「悪いのは銀行が貸したからだ」と言われ、(事実そうである部分もありますけど)一番最後の債権者、下手をすると先に債権放棄を要請されて、誰よりも先に損害を被る存在となってしまう。

それがダメというんじゃなくて、そうゆうルールなら最初からそうゆうルールとして位置づけしてくれないとビジネスとして成り立たないしと思うんです。

確かに銀行は金持ちではあるけど他人のお金ですからね。

 

ミライのことは誰にも分からないとはいえ、すべての企業がコロナを乗り切れるわけもなく、倒産する会社も出てくると思いますが、それは銀行のせいじゃないと思うんです。

期日に返済を求めるのは「悪の行為」と言われたら、そもそも期日を定めた契約って何?ってことになってしまいますから。

 

もう銀行員じゃないのでどうでもいいんですが、企業の存続を決定するのは銀行じゃなく、顧客であり経営者であってほしいものです。