お金のパーソナルコーチ

銀行員を30年以上経験してきて、今だからこそわかるお金との付き合いかたを残していきたいと思います。素朴な疑問へのご質問受け付けます

銀行で運用商品を買ってはダメな理由

理由=コストが高いから。

そこにつきますね。

ではなぜコストが高いのでしょう。

もちろん人件費が高いということもありますが、暴利をむさぼっているわけではないんです。

そもそも銀行には投資初心者が多く、金融知識も乏しいお客様が多いことから、基本的な金融知識を説明しなければならないし、小額から始めるお客様が多いため、単価が低いことがあります。

さらに営業員が無理な販売をしないようにコンプライアンスや監視の制度が過度に充実していて、そのコストも運用商品の収益で賄わないといけないのです。

 

さらにここからが最大の問題なのですが、銀行にお金を支払ってくれない人たちに対するコストも運用商品の収益で賄わないといけない構造になっているからなのです。

普通の預金者がこの人たちに該当します。

今や(というより随分前から)金利はゼロとなりマイナスとなりという環境なので預金から得られる収益はありません。

にも拘わらず、預金にかかるコストは預金保険料という保険代、ATMにかかる費用、コンビニATMに支払う費用、通帳にかかる費用、預金残高の管理にかかるシステム費用などなどたくさんの項目でコストがかかっています。

これをどの収益で埋め合わせするかというと、運用商品収益とローン収益ということになり、実際にかかるコスト以上のコストを付加することになってしまうのです。

自社の利益を大きくするために高い手数料を頂いているわけではないのです。

 

逆の見方をすれば、資金もあまりなく、金融知識もあまりない人にとっては、赤字取引にも関わらず丁寧な対応をしてもらえて、いろいろ教えてもらえるという点でありがたい場所なのではないでしょうか。

または、多少手数料は高くてもいいから、ネットで取引出来ないし、人が目の前で説明してくれた方が安心できるという方は、銀行店舗で取引してもいいと思います。

 

ただ、信託報酬が1.5%とかもある投資信託を20年間の長期運用すると、ざっくりでも30%くらいは手数料で支払うことになるという現実を理解してからの方がいいです。

 

本気でお金を守りたい、お金を増やしたいと思うのであれば、銀行で運用商品を買ってはダメということになってしまうのが現状です。