お金のパーソナルコーチ

銀行員を30年以上経験してきて、今だからこそわかるお金との付き合いかたを残していきたいと思います。素朴な疑問へのご質問受け付けます

含み損が苦しくなったら損出しクロスでピンチを乗り切る

相場が下落して、さらに下落して、ちょいと戻してまた下落して。

凹みますよね。

そんな時にオススメなのは損だしクロスです!

前提は、長期投資に相応しい投資をしていることですかね。

含み損が拡大してどうしていいか分からず、耐えられなくなって売るとか、含み損がちょいと戻ってきて、また下落する前に売ってしまおうとか考えているのなら、まずは現実を見てから対策を。

もちろん売買手数料はかかりますが、ネット証券なら0.1%くらいだし、配当金があるなら税金分が相殺されるし、大したコストではありません。

僅かな費用でこころの安定につながりますよ。

相場下落時に湧き上がる気持ちと対処法

最近下落幅が大きくなってきました。コロナ禍で急落以降、上昇し続けてきた米国株でさえ調整局面の様相ですね。

こんな時は色々なことが頭をよぎりあれこれ手を打ちたくなってくるものです。

1.まだまだ下がるんじゃないかと思い、これまでの利益をいったん確定しておこう

今年は一本調子で株価も上昇したため、含み益が出ている人も多いでしょう。

一旦利益確定、全然OKだと思います。でも。。。

税金は発生するし、これで投資をやめてしまうのであれば別ですが、次に買うタイミングをどうやって決めるのかがすごく難しい課題として残ってしまいます。

また買うのであればさらに相場が下がらないと税金分だけ損になってしまうし、悩ましいところです。仮に相場が下がらなかったらどうするのか、横ばいだったらどうするのか、しっかり決めておかないともう買えなくなってしまいそうです。

さらに今回は想定通り、相場が下がって底値付近で買い戻すことが出来たとしても、次もうまくいくとは限りません。

 

2.まだまだ下がるんじゃないかと思い、含み損を損切してしまおう

これが最悪のパターンです。なんとなく投資を始めてみたものの、自分の資産がどんどん減っていくことに耐え切れず、心が苦しくなって、自己嫌悪に陥り、投資したことを後悔して、嫌な気持ちから逃れるために損切するというパターンですね。

投資で損する人の典型です。

3.そろそろ底値で反転すると思い、追加で投資しておこう

相場が乱高下したときに多いケースです。大きく下げて、すぐに大きく戻すという

相場が続くと、下げたときに「買いのチャンス到来!」と思ってしまうのは仕方ないことです。また含み損ポジションの持ち値を下げておきたいという気持ちも自然な流れかと思います。

ただ、相場は常に上下を繰り返しながら、グラフでいうとジグザクしながら、上がったり、下がったりするものですよね。

下落局面でポジションを膨らませると、損失拡大につながるのは言うまでもありません。

対処法1:初心を思い出すこと

今の投資を始めたときの気持ちや考えを思い出すことかなと思います。

長期投資でインデックスを買ったのであればなおさらです。

相場の上下に惑わされないためにインデックス投資をしているのに、長期で資産形成していこうと思って投資をしているのに、なぜ自分は何かアクションを起こそうとしているのかということです。

また何も考えずに投資を始めた人は、何も考えないことです。

対処法2:自分の投資家としての実力を振り返る

投資を始めて相場を毎日見たりするようになると、相場がわかったような気持ちになるものです。もちろん知識が深まっていろんなことがわかっていくんでしょうけど、わかるのは過去であって、未来は誰にもわかりません。

雑誌やテレビなどでもっともらしく話している人たちも過去を分析する力はあるかもしれませんが、未来を高確率で当て続けることは出来ないんじゃないでしょうか。できるのであればあんな仕事はしていませんからね。

自分に未来の相場を予見する実力があると思っていますか?思っていませんよね。

そうであれば、じっとしていることです。

もちろん、予め自分で定めた損失ラインを超えたのであれば、諦めて撤退しましょう。

 

短期売買で大儲けしてやろうと思って始めた投資は別にして、普通の社会人が仕事をしながら始めた投資は、上がるも下がるも『世の流れについていく』ということじゃないでしょうか。

じっとしているのが一番かと思います。

ウェルスナビの運用状況(公開します)

約10ケ月間の運用成績です。

定期預金にしていた1,000,000円を一括でウェルスナビへ投入。

リスク許容度は3です。

この低金利環境で債券の割合を高くするのは如何なものか?と思い、もっとリスクを高くしたかったんですが、せっかくAIくんが選んでくれたので従うことにしました。

○運用成績

10ケ月で22%のプラスです。

上がり下がりを繰り返しながらも、堅調な株価に支えられて右肩上がりに推移しているのがグラフでもみてとれます。

円安の影響を追い風にドル建ての約2倍のプラスとなっていますね。

債券のウェイトを高くしたことが悔やまれますが、いまのところまずまずの結果となっています。

この間の手数料は残高の1%なので約10,000円を支払っていますが、この期間の配当金が12,000円ほどあるので元本を減少させることなく、配当金ですべて賄えている状況です。

思うこと

私の運用の主力部隊である楽天証券での運用は日本株を混ぜている影響でこれよりも成績は悪いです。

あれこれ考え、いろいろと分散し、常にウォッチし、適宜見直しを行っている主力部隊より、ほったらかしのウェルスナビの方が成績がいいなんて(*´Д`)

10ケ月間のこととはいえ、ショックでなりません。

でも運用なんてそんなものなんでしょうね。

しっかりした運用先さえ見つけておけば、株価がどうだとか、為替がどうしたとかそんなくだらないことに関わることなく資産は着実に成長していくんでしょう。

運用の勉強する気はないし、勝てる気もしない人の方がいい結果が得られる、そんなことのような気がします。

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成績

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成績内訳

 

 

銀行口座の使い分け

いよいよというかようやくというか、各行が口座に手数料を付加するようになってきました。

金利がゼロからマイナスの中、タダでお金を管理し、印紙を貼って通帳を発行し、沢山のATMを用意してた過剰サービスが終了したのは当然の流れというか遅すぎだと思いますけど。

とわいえ、利用する口座はまだまだ無料ですから、積極的に活用しないともったいないですよ。

家計簿つけるのが苦手な人は必見です。

ただ多くの人が見たことがあると思いますが、ATMを陣取って何冊も通帳を出し入れしながら、お金を付け替えてる人のようにならないようにしないと管理の労力ばっかりになってしまいますよね!

 そこで銀行員だった私が活用していた方法をご紹介します。

1.生活口座とお小遣い口座を分ける 

まずやるほうがいいのがこの区分です。 

きちんと家計簿をつけて、それをしっかり分析できる人以外は口座を分けましょう。 

こうすることで、ベーシックな生活費にいくらかかっていて、月毎にどの程度のばらつきがあるのかが口座を見ればわかるようになります。 

当然のこととして、クレジットカードも生活費に使うものは生活口座から引き落とし、お小遣いに使うものはお小遣い口座から引き落とすようにした方が便利です。

結婚しているとなおさらこの管理方法が便利です。

基軸となる生活口座からは、公共料金、電話、食費、日用品、税金、保険、新聞、管理費などを支出します。

私は外食、洋服はすべてお小遣い口座となってしまってます。。。

2.この2つの口座は同じ銀行がいい

支出する口座を分けていても、生活口座で支払うものをお小遣い口座で支払うとかその逆とかはあるものです。

忘れないためにも発生の都度振替えるようにしていて、同じ銀行だと「振込」ではなく「振替」として手数料無料で何度でもスマホで資金を移動させることができます。

1回のログインで両方の口座明細が見れるし、主となる2口座は同じ銀行が便利です。

3.生活口座には定期預金をセットしておく

総合口座で定期預金をしておくと定期残高の90%まで貸し越し(普通預金のマイナス)が可能となります。

金利は若干かかります(0.5%程度)が、カードローンよりお得だし、何より便利です。

どうしても月単位では苦しくなる月も出てくるのでその時の備えとして定期預金を作っておきましょう。

私は30万円ほどやっています。大きな金額でなくていいんです。金利なんてなくていいんです。

カード引き落としとかで残高不足とならないように備えましょう。

そして生活には何年かに一度の大きな出費が発生します。

冷蔵庫とかテレビとかガス給湯器とか月々の生活費管理では補えないものに対しては定期預金を作っておくことをお勧めします。

4.運用口座は証券口座で!

NISAやほかの運用は証券口座で行いましょう。

つみたてNISAならともかくほかの長期的な運用は手数料の大小が運用成績に滅茶苦茶影響してくるので、手数料の安いネット証券がおすすめです。

利便性よりも運用成績重視でしょ~。しっかり比較検討して運用先を決めましょう。

私は楽天証券利用です。

いい点は他の人がたくさんまとめていただいているので書きませんが、商品数と手数料水準と操作性がいいと思っています。

あと楽天銀行をセットしておけば他行への振り込み手数料は月3回まで無料だし、ふつう月3回も振込なんてしないからこれで手数料ゼロ生活が送れます。

もちろん楽天証券への入金(振込)は無料でできますから。

5.住宅ローンは別口座が望ましい

借金ですから、利便性よりも金利が一番低い銀行で借りましょう。

毎月返済口座への振替は手間ではありますが、繰上げ返済を目指して毎月多めに振替するとか、借入していることをかみしめるとかのためにも別口座の方が望ましいと思います。

6.その他の口座活用

両学長はプレゼント用口座をお勧めされてましたが、それぞれ特に意識して区別したい資金を別口座で管理するのはいいかと思います。

副業収入の口座は別の方が良いんでしょうね。

旅行とか大きな買いものとか使うための別管理はワザワザ口座を別にしなくても定期預金を作る方が簡単でしょう。

定期預金って満期前解約は無料で簡単にできるってしらない人結構いるんですよね。

ボーナスで1年分の予想結構式ご祝儀を定期にしておくとか、使うけどちょっと残しておくお金は定期がおすすめですね。利息はありませんけど。。。

 

これを機に2つか3つの口座を自分なりに操作しやすいよう使い分けてみてはいかがでしょう。

 

銀行で運用商品を買ってはダメな理由

理由=コストが高いから。

そこにつきますね。

ではなぜコストが高いのでしょう。

もちろん人件費が高いということもありますが、暴利をむさぼっているわけではないんです。

そもそも銀行には投資初心者が多く、金融知識も乏しいお客様が多いことから、基本的な金融知識を説明しなければならないし、小額から始めるお客様が多いため、単価が低いことがあります。

さらに営業員が無理な販売をしないようにコンプライアンスや監視の制度が過度に充実していて、そのコストも運用商品の収益で賄わないといけないのです。

 

さらにここからが最大の問題なのですが、銀行にお金を支払ってくれない人たちに対するコストも運用商品の収益で賄わないといけない構造になっているからなのです。

普通の預金者がこの人たちに該当します。

今や(というより随分前から)金利はゼロとなりマイナスとなりという環境なので預金から得られる収益はありません。

にも拘わらず、預金にかかるコストは預金保険料という保険代、ATMにかかる費用、コンビニATMに支払う費用、通帳にかかる費用、預金残高の管理にかかるシステム費用などなどたくさんの項目でコストがかかっています。

これをどの収益で埋め合わせするかというと、運用商品収益とローン収益ということになり、実際にかかるコスト以上のコストを付加することになってしまうのです。

自社の利益を大きくするために高い手数料を頂いているわけではないのです。

 

逆の見方をすれば、資金もあまりなく、金融知識もあまりない人にとっては、赤字取引にも関わらず丁寧な対応をしてもらえて、いろいろ教えてもらえるという点でありがたい場所なのではないでしょうか。

または、多少手数料は高くてもいいから、ネットで取引出来ないし、人が目の前で説明してくれた方が安心できるという方は、銀行店舗で取引してもいいと思います。

 

ただ、信託報酬が1.5%とかもある投資信託を20年間の長期運用すると、ざっくりでも30%くらいは手数料で支払うことになるという現実を理解してからの方がいいです。

 

本気でお金を守りたい、お金を増やしたいと思うのであれば、銀行で運用商品を買ってはダメということになってしまうのが現状です。

なぜウェルスナビなのか

単に目新しいということじゃなく、

お金持ちがいろいろな変動要因から資産を守ることを目的に始まったのが、【長期分散&リバランス】と認識してます。

それが庶民レベルにまで広がってきたのが、証券や銀行が取り扱っている【ファンドラップ】と言われるもので、5つぐらいのリスク許容度の中から自分の好きなものを選んでもらって、あとはお任せとなります。

 

ファンドラップはいい商品なんですが、ネックは「手数料が高い」こと。

とにかく営業職員が販売する商品は手数料が高すぎると思うんです。

超富裕層の多額の資金を管理する手法を小口化するので、ある程度高くなるのは仕方ないんですが、世界が低成長の中、2%以上の手数料は高くて、運用益が手数料に持っていかれてしまうことになりかねないくらい高い。

N証券のファンドラップなどは、投資先がN証券のファンドだったりするので、いったいトータルで何パーセント手数料を払っているのか?と思ってしまいます。

それがウェルスナビは【1%】の手数料です。

手数料としてどうでしょうか?

それでも十分に高いと思います。

長期運用をするので、20年運用すると約20%を手数料で支払うこととなってしまって、30%増加しても手取りは10%となってしまいます。

 でも銀行や証券のファンドラップより【はるかにマシ】なので、既にファンドラップを持っている人は3連休明けに大急ぎで乗り換えましょう。

その際、リスク許容度が低いコースにすると手数料で負けてしまうので金額を少なくしてもいいのでリスク許容度3以上が肝です。

巷のファンドラップや投資信託も同様です。

世界的な低金利下において、債券運用ではリターンが期待できない中、債券割合の高いファンドに手数料(信託報酬)を多く支払うのは金融機関のために運用しているようなものですから。

 

ちなみに私のウェルスナビは12月20日に1,000,000円預け入れで、25,000円ほど増加しています。

但し、この間の日経平均株価は5%以上上昇したので、パフォーマンスは半分といった感じ。まあ、結果論ですから気にしないことです。

手数料も1%で年間10,000円なので、この程度ならいいかと思っていますが、これ以上残高を増やして手数料を支払うつもりはありません。

そのうちコロナで銀行が悪役になる

 

コロナの影響で昨年の貸出金残高は大幅に増加したようですが、これから更に業績が悪化した場合にどこまで貸し続けることが出来るのかという問題が顕在化してきます。

給付金にも限界があるだろうし、あとは自助努力=銀行借入でということになると、借入できないところも出てくるでしょう。

バブル崩壊したあとの処理の過程で貸金ってなんだろう?って思ってましたが、同じようなことにならないか危惧しますね。

金利で1%程度しかもらってないのに、「会社を生かすか潰すかの判断を突き付けられる」ことは違和感しかありませんでした。

リターンに対するリスクが大きすぎるんです。

お金がある以上、ボロボロの会社でも倒産しないからなんでしょうけど、貸金において、借換や折り返しが商習慣になっているため、期日の認識が低く、期日に返済してもらうという当たり前の行為が「貸し剥がしだ」とかと言われ非難されてしまう。

赤字体質から抜け出せない企業は返済どころか追加借入しないと倒産してしまうので、さすがに追加借入は無理になってくる、そして「銀行に潰された」と恨みを買う。

 

ルール上は損害を被るのはまず株主であるはずで、債権者は均等のリスクのはずなのに、「悪いのは銀行が貸したからだ」と言われ、(事実そうである部分もありますけど)一番最後の債権者、下手をすると先に債権放棄を要請されて、誰よりも先に損害を被る存在となってしまう。

それがダメというんじゃなくて、そうゆうルールなら最初からそうゆうルールとして位置づけしてくれないとビジネスとして成り立たないしと思うんです。

確かに銀行は金持ちではあるけど他人のお金ですからね。

 

ミライのことは誰にも分からないとはいえ、すべての企業がコロナを乗り切れるわけもなく、倒産する会社も出てくると思いますが、それは銀行のせいじゃないと思うんです。

期日に返済を求めるのは「悪の行為」と言われたら、そもそも期日を定めた契約って何?ってことになってしまいますから。

 

もう銀行員じゃないのでどうでもいいんですが、企業の存続を決定するのは銀行じゃなく、顧客であり経営者であってほしいものです。