お金のパーソナルコーチ

銀行員を30年以上経験してきて、今だからこそわかるお金との付き合いかたを残していきたいと思います。素朴な疑問へのご質問受け付けます

仕組債をまだやっている場合は早くやめた方がいい

仕組債はやめた方がいい金融商品の代表選手みたいなものです。

金融業界では常識なんですが、なぜかお客様からの受けがよく、手数料が高く儲かるのでついつい販売してしまってました。

 

どうして人は「高金利」につられるんでしょう。

外貨預金もそうだけど、金利なんか簡単に吹っ飛ぶくらい元本の変動リスクがあるのに、それには目をつぶって、高金利だけをみて商品を購入してしまうんですよねぇ。

 

仕組債ってなに?って場合は、ほかのサイトで調べてもらえばいいんですが、超簡単にいうと、

100万円預けて、さいころを振って「1~5」なら105万円で返ってくる。

「6」なら100万円が50万円になって返ってくる。

みたいな感じです。

商品的には

100万円預けて、5年間で株価が4割下落しなければ金利5%、4割以上下落したら、100万円が下落した株式として償還される。

的なものです。もちろん商品ごとに違いはありますが、概ねこんな感じです。

 

以上のようにものすごい強運がないと勝ち続けられないのですが、そんな強運がないと勝てない商品ってどうでしょう。。。

もし強運の持ち主ならもっともっとリターンが大きい商品に投資したほうがいいんじゃないでしょうか。

 

なぜ仕組債がダメかというと、リスクとリターンが合わないんです。

ハイリスク、ローリターンっていうやつですね。

株価はどこかでは暴落するので、1回の暴落でこれまでちょこちょこ貰ってきた金利なんて全部飛んで、さらに損失となるからです。

 

株価の下落リスクをとるんなら、株価の上昇リターンも貰わないと割が合わないと思いませんか?

 

仕組債をやるくらいなら、株式を直接買いましょう。

安全な投資信託は買う意味不明

投資信託の中には「安全なもので運用してます」的なものがありますが、あれはほんとにダメ投信だと思いますね。

「資産の9割は元本確保の国債等で運用し、1割だけを株式で運用することで大きな損式にならない」的なやつです。

絶対に買わない方がいいです。

投資信託には販売手数料のほかに信託報酬といって残高に対して一定の料率の手数料がかかるんですが、上記の例だと安全運用で利率がほぼゼロの9割部分にも信託報酬が発生することになります。

 

100万円を購入したとして、90万円の利率ゼロの部分にも信託報酬が1%とか引かれてしまうんです。

それなら最初から90万円はほぼゼロ%の定期預金か何かにしておいて、10万円の株式投資信託を買った方がよくないですか?

 

にも拘わらず、この手のものがよく売れるんです。

どう考えても金融機関が儲けるだけの商品としか思えないのに。。。

外貨預金はふつうやらない

退職金をもらい、自分のお金について運用を真剣に考え始めたので、どんな運用をするかを書いていきます。

 

まずは、「これはやらないでしょ」から。

外貨預金はいろんな銀行でキャンペーンとかやっていて、円では見られないような高金利で誘惑してくるけど、ふつうはやらない。

理由は、金利の高い低いよりも為替レートの変動の方がはるかに影響があって、高金利だからお得!とは決してならないからです。

 

米ドル:3ケ月4.0%

とかだと、「おおー」と思ってしまって、とりあえずやってみようってなりがちだけど、年換算で1.0%(しかも税前)だし、銀行店頭での為替手数料(大体片道0.5円、往復で1.0円)を差し引くとほぼゼロ%になってしまうのです。

「なんだ、結局円預金と一緒か~」と思ったら大間違い(笑)

 

外貨は為替レートが変動して、円に戻すときに元本部分が変動してしまうのです。

「そんなことは分かっている」と多くの人が言うでしょうが、問題はその変動幅が金利とは比較にならないくらい大きいということなんです。

今年の7月と9月の高値と安値の変動幅は4.17円、3ケ月の金利換算で15%ほどもあるんです。(7月高値108.16円、9月安値103.99円)

これはふつうでこの期間はあまり変動しなかった方なんです。

つまり、3ケ月間4%の金利をもらって、4%相当の手数料を払って、15%の変動リスク(儲けか損かはわからない)をもつということを知ってやってほしいんです。

ね、ふつうやらないでしょ?

要するに外貨預金を金利につられて取り組んではダメなんです。

 

もちろん、円高のときに買って、円安で売って儲けるために取り組むのであれはOKですが、もはや金利どうこうではなく、預金というより投機の世界です。

そうであれば、店頭で高い手数料を払うというのは理解しがたい行動に思えます。

ネット銀行であればもっと安い手数料で外貨預金が出来ますし、キャンペーンを除けば金利も高いです。(末尾に為替手数料比較を書いておきます)

「ネット銀行の口座持ってないし、口座開設してまでやるのはめんどくさい」という人は、投機をやる資格なしなのでは?

 

さらに外貨をもつ意義という点で【通貨分散】というものがあります。

将来、円が安くなることで、輸入に依存している石油や食料の値段が上がってしまうリスクに備えるために資産の一部を米ドルで保有しておくというのは、価値ある行動かと思います。

しかし、しかし、しかし、たった50万円や100万円では、緩やかに影響してくる物価上昇に対しどれだけの効果はあるでしょうか。

ほぼ無意味という結果にしかならないんです。

通貨分散とは多くの資産を保有している富裕層が特定の通貨の暴落リスクを回避するためのもので、一般庶民が気にすることではないんです。

自国の通貨がダメになっても大丈夫なように準備する余裕なんてないはずなんです。

 

投資は重要だと思いますが、目的をもたないで銀行に勧められるがままに取り組む外貨預金はやめた方がいいと思います。

ちなみに私は、為替差益狙いで外貨預金やってます。

もちろんネット銀行で。

 

 

<ネット比較でみた為替手数料を記載しておきます>

住信SBI:0.02円

JNB:0.05円

ソニー:0.15円

楽天:0.25円

みずほ:0.40円

SMBC:0.50円

レノボオンラインの納期に注意

どうでもいい話ですが、レノボオンラインで注文したパソコンが来なかったという話です。

 

いま再びコロナ注意報ですが、最初のコロナブームの時に

「暇だし10万円も貰えるし、新しいパソコンを買おう」ということで5月2日にレノボオンラインでノートパソコンを注文したんです。

その際、直ぐには要らないけどそんなに待てないので【納期2~3週間】というものを選んで発注しました。

レノボオンラインは納期目途が機種別に書いてあって、遅いものは6週間とかもあり)

5月12日にメールで「納期目途5月下旬」というのが来て、少し遅めだけどいいかと思って待っていました。

その後、5月には到着せず6月になってしまったので、メールで問い合わせたところ「部品がないから7月初旬になる」旨、返答が来たんです。

 

「だったら連絡してよー」と思いながら待つことにして7月になり、いまだ来ず。

注文番号で状況を確認したら、納品は7月末との表示に( ゚Д゚)。

 

さすがに気長な私もおいおい!と思い、メールで「部品がないなら別の代替品でいいから手配してほしい」旨連絡。

しかしながら結果はノー。(まあ、そうゆうことです)

今度の納期も信じられないので、じゃあ、キャンセルさせてということでキャンセルとなりました。

(もちろんお金は決済済なので返金依頼してますがまだ帰ってきてません)

 

教訓:納期目途を当てにしてはいけません。

9週間待ち続け、そしていまから新しいパソコンを探します。

銀行間手数料が高いという話題について

今日は最近新聞でも「キャッシュレスの障害になっている」的な話題になっている銀行間手数料について考えてみたいと思います。

 

 

確かに見直し自体が放置されてきた

40年間も料金が変わってないということは、放置されてきたと言われても仕方ないんでしょうね。

現在、銀行が他行にお金を送る手数料は1件162円(3万円未満は117円)。

利用者からもらう手数料をこれ以下にすると個別取引ベースで赤字となります。

そもそも以前は銀行員が手入力で、銀行名、支店名、金額、振込依頼人、受取人を打電してたわけで、相応の手数料を頂いてもいいやり方だったのですが、金利が高かったのでそこで儲けることができるから、600円とか、800円とかその程度でやってたわけです。

その後、データ処理が進歩していって、銀行の手間の部分は格段に縮小したのですが、システムの維持管理に多額のお金がかかるし、誰かが一方的に儲かるというより銀行間でお互い様ということで、手数料の見直しが行われてこなかったんでしょう。

 

 

 

個人レベルではあまり関係ない

 キャッシュレスといっても大口の企業間取引はこれまでからほぼキャッシュレスだったわけで、個人で使ってきた小口の現金のやり取りをキャッシュレスにするってことだから、現金からの代替ということなんだと思っています。

 

現金の代替だから、銀行間手数料はあまり関係なく、関係あるとすればATMがいろんなところにあって現金を便利に引き出せることがキャッシュレスの足かせになっているように感じます。

 

法人や営業性個人は決済について再考すべき

 一方銀行振り込みをたくさん使う事業者は手数料が下がれば影響は大きいでしょうね。

いまでも大手企業や手数料にうるさい企業は銀行から減免を受けていて、冒頭の銀行間手数料に少し足した額で振り込みをしていますが、それでも件数が多いと結構高い金額になってしまいます。

 

未だに銀行窓口に行っていたり、規定手数料で振り込みをしている会社は少しだけ真剣に見直しすれば効率的になります。

ジャパンネット銀行では1件276円(3万円未満176円)で振り込みできます。

他のネット系銀行も減免扱いなしで同様のレベルです。

 

また同一銀行内はどの銀行も安い(銀行間手数料が不要なので)ため、社員の口座を一つの銀行に作ってもらい、給与や経費精算の口座に使うと ずいぶんお得になりますよ。

 

マイナポイント開始

 そうれはそうと今日からマイナポイントの予約開始ですね。

5000円もらえるのでマイナンバーカードを持っている人はもちろん手続きすべきですが、5000円のためにマイナンバーカードから作らないといけない人はかなりめんどくさいので覚悟のうえで。

それよりも決済各社が囲い込みのためのキャンペーンを打ち出しているので、そちらを比較の上どこの事業者を登録するのか決めたほうがよさそうです。

私は普段Suica使いなので、5000円プラス1000円もらえるそう。

遺産相続は少額ほどもめる

今日の日経の記事にこの題名があったのですが、ほんとうにそうなんです。

 

裁判で調停が成立した紛争金額別割合

1000万円以下:34.0%

5000万円以下:42.6%

相続税がかかっていないであろう5000万円以下が76.6%を占めているんです。

複雑な家庭はもめても仕方ないけど、極々普通の家庭がもめるんですよね。

 

例えば、親夫婦+子供2人のケースで、父親が亡くなった場合、全てを母親が相続するという段階では問題が起こらないが、その母親が亡くなって、家4000万円、預金400万円の計4400万円の相続財産を兄弟2人で相続する。

さっさと家を売って2200万円ずつ分け合えば良いんですが、弟家族が母親と同居していたら?

そう簡単に家を売るわけにもいかないし。弟の嫁が介護の面倒を見てきたら?

兄家族が生活が不安定だったら?嫁が厳しくて権利を主張するよう言ってきたら?

まあ、中々解決しませんよ。

 

何が正解かはその家族ごとの状況(財産額、財産の種類、家族構成、家族間の関係性、相続人の財政状況などなど)によって変わってくるので、生前から家族で話し合っておくか、生々しいお金の話が嫌なら話しあわなくてもいいように、遺言を書いておくってことでしょうね。

50歳を超えてFP1級に合格するまで②

前回は勉強方法を書いたので、今回は受験までのイキサツとメンタル面を書きます。

 

そもそももうすっかり年齢も経ち、FP合格が昇進に影響するわけもなく、またFPの知識を業務で披露する機会もない中、どうして受験したのか。

どうして50歳を超えてFP1級に挑戦することになったのか 

事の発端は、会社がFP取得に力を入れるようになったから。

資格が業務上の成果とリンクするわけではないことも重々承知しながらも立場上部下に対して「FPを受験しよう」「FP2級は必須と思ってほしい」「2級を持っている人は1級にチャレンジしよう」などと事あるごとに言ってきたわけです。

 

素直に私の助言を聞いて、合格に向けて取り組む者もいれば、うるさいから一応受験はするものの、たいして勉強することもなく不合格を繰り返す者もいるわけです。

 

しかしながら人事上も影響が出てきた以上、なんとしても部下には合格してほしく、「私も受験するから一緒に合格を目指そう」などと軽率な発言をしてしまったのが地獄の始まりでした。

動機付けがあとあとの勉強への逃げ防止に必要

宣言した以上やり遂げないといけない。

「口で言うだけで努力しない上司」などということになると、これからの仕事に差しさわりがあるうえ、若者たちのこれからの会社員人生を鑑みるに「合格しなくてもいいや」と思われてしまうことを何としても回避しないといけないという一心で受験に取り組むことになったわけです。

 

ということで【部下への鼓舞」が目的なので、当然勉強状況は話題に出し、合否結果もフルオープン で臨むわけです。

一回目に不合格となった時には大勢の部下の前で結果を披露し、情けない思いをしたため、自分の努力不足を深く反省して自分を追い込んでいきました。 

 自ら退路を断ち、臨む以上なんとしても合格しないといけないプレッシャーを感じつつも、勉強の集中力は続かず、何度もあきらめたい衝動に駆られながらの勉強となったわけですが、「もう不合格報告をしてはいけない」との思いが最後まであきらめずに取り組めた要因ではないかと思っています。

 

もう無謀なチャレンジはしないでおこうと強く誓ったものの、今、必要に迫られたために宅建合格に向けて勉強中です。(決して資格オタクではありません)